雲梯(うんてい)の落下事故対策
雲梯の概要と危険性
雲梯は落ちることが当たり前の遊具
雲梯は体を揺らしながら両手の力だけ進んでいく遊具です。端から端まで移動するにはかなりの体力と慣れが必要。力尽きて手を放す、進行方向がかち合ってぶつかる、譲り合うなど、雲梯は途中で脱落したり落ちることがとてもよくある部類に入ります。
よく見られる、雲梯とその周囲の危険性
- 雲梯のまわりに排水溝やフタがある
- 雲梯の近くに砂場や花壇のコンクリートブロック枠がある
- 雲梯の近くにマンホールがある
- 設置場所のグラウンドが固い
- 利用者の年齢のに対して雲梯が高め
そのため、雲梯がある施設の管理者は、子供が雲梯から落ちても過剰に危険にならないよう配慮する必要があります。 落ちることも子供の学びの一つですが、大けがになるようでは学びの機会も奪われますし、無関係な危険(ハザード)で怪我をすると体を動かすことに委縮してしまう恐れもあります。 雲梯の本来の役割である落ち方や着地を子供たちが学べるようにしておきましょう。
セフティバイオクッションを活用するメリット
雲梯の安全対策で重視される条件には、下記のようなものがあります。
- 固定しなくてよい
- 自由にカットできる
- 水を通す
雲梯は移動させることがよくあるため、固定しなくてよいクッションが重宝されます。自由にカットできる製品だと、適切なサイズで用いたり雲梯の脚部に切れ込みを入れて設置が出来ます。水を通すものであれば、水はけがよいのはもちろん、側溝の上に置くこともできます。
実例 - 対策されていない雲梯
側溝の近くに置かれ、地面に障害物がある
雲梯をただ置いただけの状態の例です。学校のグラウンドは十分なスペースがないことが多く、どうしても遊具がこのような場所に置かれることがあります。写真右端には排水溝やマンホールがあり、三和土(たたき)も映っています。写真中央には鉄棒のような支柱を撤去した跡も見えます。もともとは土に隠れる位置で切断して撤去したのかもしれませんが、土が減って上端が出てきており、非常に危険です。
実例 - 対策されている雲梯
雲梯の真下をカバーした
こちらは山形雲梯の下にバイオクッションを敷いた例です。中央の支柱を通すように敷き、両端の支柱部分にはバイオクッションに穴をあけて通しています。固定はしていませんが、ほぼずれることはありません。 下に排水溝やマンホールがあっても問題ありません。雨水を通しつつ安全対策ができています。
雲梯の登り口/降り口をカバーした
下記の青い雲梯の事例は雲梯近くにあったマンホールをカバーしたところ。地面を平らに均して、マンホールと高さをそろえて敷いています。これで「登り口から仰向けに倒れて」後頭部を固いマンホールに打ち付けることは無くなり、安全になりました。
遊具は子供の成長にとって重要な役割を果たします。撤去してしまえば怪我の恐れは減りますが、危険を感知して対処する能力を養う場所が失われることにもなります。
安全性を高めるには、セフティバイオクッションが有用。この事例で使われているのはセフティバイオクッション10㎜厚タイプです。